放射伝達

地球観測衛星に搭載されたセンサーは、地球で反射された太陽光、あるいは地球から放射される熱放射やマイクロ波を感知します(ここで述べた太陽光、熱放射、マイクロ波等は全て電磁波の仲間)。放射伝達プログラムを使って、地球の大気や表面で散乱してセンサーに到達する電磁波を計算することができます。

放射伝達プログラム

放射伝達プログラムでは、大気分子成分(窒素、酸素、水蒸気等)や大気微粒子(雲粒子やエアロゾルと呼ばれる微粒子)による電磁波の吸収や散乱が計算されます。
より細かな波長分解能をもち、多くの種類の微粒子を取り扱うことができ、計算速度が速いプログラムほど性能が良いとされます。しかしながら、一般的に波長分解能を上げればそれだけ計算時間を要します。
また、大気中微粒子に関しては、形状が球形の微粒子は取り扱いが比較的容易である一方で、氷の結晶や、黄砂等の微粒子の形状にみられるような非球形微粒子については、まだまだ計算に工夫の余地があります。

左:球形粒子 右:六角柱粒子

参考)幾何光学近似で計算された散乱分布関数(左から電磁波が入射した場合)

本研究課題では、波長分解能を向上させつつも計算時間を程々に収める技術や、非球形微粒子による電磁波散乱を現実的に取り扱うための研究を行います。

中島研究室 – Nakajima Laboratory – "Dialogue with Blue Planet"
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